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吉本興業の闇営業の本質的な問題

TVをつけるとワイドショーなどで芸能人の不倫や吉本興業の芸人さんの話などが活況。

今日は吉本興業の反社会的勢力に対する営業活動について考えてみたい。

流れてくるSNSは、「宮迫さんの復帰が許せない」だの「田村亮さんの復帰を応援したい」だとか人それぞれの思いを綴ったものが多い。人が持つ印象はそれぞれだけど、人気商売だから「どのようにみられるかの印象」がKey Success Factorの一つだからすごく大変そうだなとも思う。

事情通でもないので良くわからないけど、宮迫さんの印象悪化の要因は「後輩芸人にお金をもらってない事にしよう」という口止めを先輩として強要した「印象」が批判的な立場を持つ人の大きな要因なのかなと推測する。この真偽をきちんと話をして、たとえそれが真実であっても、「自身の保身のためにしてしまった」ことの話を繰り返し伝えていけば状況も変わっていくのかなとも流れてくるSNSをみていて思った。

パワハラ」だとか「強要」だとかの、ほんとの事は当事者たちしかわからないので、「アレ」として、起こった事をコンプライアンス的に考えると、本質的な問題の捉え方として、当人も含めて、間違った捉え方をしているている人がたくさんいるようにも感じる。

①金銭に関する観点

相手が反社会的勢力だろうがなかろうが、芸人さんたちは、プロの芸人としてお金をもらって当然だったと考える。もしこれが、「無料」の奉仕をしていたとするとより「濃密な」反社会的勢力との交流がなされていると判断をされていた可能性がある。プロとして芸を行いお金をもらうという行為は、ライブでも書籍の出版でもなされることであり、当然の活動として考えられる。

②反社会的勢力との交流

この話は芸人個人で負える話ではなく、吉本興業もしくは今回はイベント主催者である芸人さんがチェックすべき話である。芸人さん間には当然信頼関係があったと想定され、反社会的勢力との関係性についての批判は主催者やチェック体制の不備に原因があり、参加した芸人個人が責任を負うべき話ではない。

③社に対して虚偽の報告をした事

これについては、責任を負うべき必要がある。

もし「記憶があいまい」「事実がつかめていない」と答えているのであれば、その事をきちんと伝えて、時間がかかっても調査を続けていれば良かったのではないかとも感じる。

結局のところ、芸人さん個人の問題として③の「社に対して虚偽の報告をした」事が最も問題な部分で、「金銭授受」「反社会勢力」の問題や「パワハラ」「反社会勢力チェック」に関しては、吉本興業の社としての仕組みに問題があったとして捉えるのが今回の問題の本質である。

吉本興業の30年の決算公告をみていると決して順風満帆にもみえない。損益計算書はみえないが、利益剰余金を吐き出し、財務指標の補填に充てたとみるのが妥当か?本年度は公共性の高い案件や大型営業イベントなども低調になっているのではないかと推測されるとともに、給与増などによるタレント経費増も予測され、コンプライアンス改革とともに経営改革にも乗り出す必要がでてくると推測される。今期の決算公告が注目される。少し前に吉本興業の役員の方に「原材料(コスト)が無料でやってくるビジネスモデル」との話を聞いたことがあるが、「原材料管理」=「人の管理」のコスト増の局面をどのビジネスでオフセットしていくのかが重要だ。「アジア海外展開」「コンテンツビジネスの充実」「社員・芸人等のリストラクチャリング」あたりが「打ち手」か?

一周して困難に立ち向かうのは、たくさんいる芸人さんになるのかもしれない。

 

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吉本興業 第9期決算公告